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真の市民マラソン・ロンドンマラソン

みなさん、こんにちは。こちらロンドンでは先月末から夏時間になりました。(日本との時差は8時間です)日もだんだんのびてきて、美しい季節の始まりです。

さて、先月ご紹介した、グランド・ナショナル。すごい結果でしたね〜。40頭中完走できたのは17頭のみ。そして最初にゴールしたのは、なんと100倍の配当のモン・モメ(Mon Mome)。100倍以上の配当の馬が勝ったのは、これも前回ご紹介した、1967年のフェイネイボン(Foinavon)以来。そして女性の調教師によって調教された馬が勝ったのも歴史上2度目だそうです。2位以下の馬と大差をつけてのゴールは圧巻で、本当に感動してしまいました。


さて、今回は再びイギリスでの世界最大のスポーツの祭典のご紹介。今月26日(日曜日)に開催されるロンドンマラソン(London Marathon)のお話を。

走る距離は通常のマラソン大会同様、42.195 キロメートル。でもこのマラソン大会、通常のマラソン大会とは大きな違いがあるのです。

それは、マラソン大会であると同時に、世界最大のチャリティ・イベントでもあるということ。スポンサーからの収益や個人の寄付などから、毎年多額の寄付金が集められます。


比較的平坦なコースは良い記録が出やすく、いくつかの世界的記録を出しています。この国で一番有名なのはもちろん、自国イギリスの選手、ポーラ・ラドクリフによる2003年の女子フルマラソンの世界新記録(2時間15分24秒)。(しかし残念ながら、ポーラ・ラドクリフは、トレーニング中の怪我(右つま先骨折)により今年のロンドン・マラソンは欠場することを先日発表しました。)

ブラックヒース(Blackheath)、グリニッジ・パーク (Greenwich Park) から始まり、カティー・サ-ク (Cutty Sark)、タワーブリッジ (Tower Bridge)、ロンドン塔 (Tower of London)、バッキンガム宮殿 (House of Parliament)、ザ・マル (The Mall)へと抜けるコースは、ロンドンの観光名所をチェックする機会にもなるはず。



多額の賞金を目指し、真剣に競技に挑むエリート選手、仮装したり、純粋にマラソンを走ることを楽しむファンランナー、寄付金を集めるためのランナーなど、参加者のレベルや目的は様々で、実に独特な雰囲気のあるマラソン大会なのです。



難病に苦しむ家族や友人を元気づけるために走る人、自分自身が難病を克服した走者、または闘病中でも完走を目指して走る人、昨年は101歳のおじいちゃんが完走にチャレンジしたりと、毎年多くの感動の物語を生み出しています。

尊敬すべきは1981年の第1回から、昨年2008年までの、28回のロンドンマラソンを完走した、エバー・プレゼンツ(Ever Presents)と呼ばれる走者たち。その数は昨年には22人まで減少し、最小年齢49歳、最高年齢74歳。全員が男性です。


ロンドンマラソンは、オリンピック障害競走の元チャンピオンであった、スポーツ・ジャーナリストのクリス・ブラッシャーにより、ロンドンでの市民マラソンを目指して企画、創設されました。


1979年、ニューヨークマラソンを完走したクリスは、世界40カ国から集まった1万人を超える走者たちが、肌の色の違う多くの人々に応援されながら、共に苦しみ、笑い、励ましあう姿を見て、「人間は競技を通して、共に努力し、共に笑い、不可能なことを達成する、ひとつの明るい家族になれる」ことを呼びかけたのです。

クリスが目指した「真の意味での市民のマラソン」。第1回では8千人弱だった参加者も、昨年は約3万5千人。大勢の一般参加者を受け入れ、多くの市民が沿道、またはお茶の間で応援し、毎年多額の寄付金を集めるこの大会は、彼の美しく大きな夢が、叶ったマラソン大会だと言えるでしょう。


ロンドンマラソンの詳細はこちらで:

http://www.london-marathon.co.uk/


写真はwww.bbc.co.uk より