世界最大のクラシック音楽祭プロムス
最終夜の様子は、日本でもNHK衛星第2テレビジョンで放映されるようですので、ご存知の方も多いかと思いますが、ロンドンでは夏の間、プロムス(Proms)と呼ばれる国際的クラッシク音楽祭があります。
プロムスとは「プロムナード・コンサート」の略。ロンドンのサウス・ケンジントン近くにある、ロイヤル・アルバート・ホール(Royal Albert Hall)で、7月中旬から9月中旬までの約2ヶ月の間に、100以上のイベントが行われます。
Royal Albert Hall
Address : Kensington Gore, London SW7 2AP
Website : http://www.royalalberthall.com/
その長さとイベントの数にも驚かされますが、この音楽祭の一番の魅力は、そのリラックスした雰囲気。なんとアリーナ席とギャラリー席が立ち見席!一部を除いてほとんどのコンサートの立見席は、当日のみの発売で、しかも5ポンドという格安!そのため、ロイヤル・アルバート・ホールの前には、立見席を求める客が毎日列を作ります。
1895年に始まった歴史あるこの音楽祭。普段クラシックコンサートに来られない人に楽しんでもらえるよう企画されたもので、当初から、歩き回ること、飲食、喫煙も自由とされていました。(現在は喫煙はできません。)
通常のコンサートのように、きちんと椅子に座って観たい方には、椅子席かボックス席に、前もってチケットを購入することをお薦めしますが、ふらっと立ち寄りたい方、ちょっと様子を伺ってみたい方には、もっと自由に音楽を楽しめる、アリーナ席や最上階のギャラリー席の当日券を購入してみてください。人気のある日は前日から徹夜で並ぶ人もいますが、2時間くらい前に並べばほとんどの日には入ることができます。
アリーナ席の一番前では、迫力一杯の演奏を楽しむことができますし、後ろの方では、床に座って演奏に耳を傾けることもできます。
バルコニーからはホール全体を見渡せるので、聴衆の様子もみることができますし、場所が広いので、レジャーシートを広げてピクニック気分で音楽を楽しんだり、ごろ寝しながら、体いっぱいに音楽を浴びることもできます。
コンサートには着飾るのが普通のイギリスでも、このプロムスでは、ラフな格好でもちろんOK。仕事帰りに立ち寄る方、デートで来る若いカップル、様々な年齢層の方が訪れます。
そして必見は最終夜!これがクラシックのコンサート?と目を疑いたくなるほどの盛り上がり。エルガーの「威風堂々」など、毎年定番の人気曲が演奏されるため、会場がひとつになって、ユニオンジャックを振りかざしながら歌い踊る姿には、鳥肌が立ってしまうほどです。
クラシックのコンサートと言うと普通、演奏中は、咳やくしゃみも躊躇してしまう程の静けさが、暗黙の了解で求められます。そんな肩肘張ったコンサートとは全く違った雰囲気で、気楽に音楽を楽しみたい方、是非プロムスへ立ち寄ってみて下さい。
音響は最高とは言えませんが、演奏家や曲目は厳選されており、何と言っても、一風変わったこのと〜ってもくつろいだ雰囲気のクラシックコンサートは、どこでも経験できるものではないと思いますよ。
チケットの購入方法や、プログラムはこちらで。
http://www.bbc.co.uk/proms/2008/
期間中頻繁に訪れたい方には、1シーズン、あるい半シーズンのコンサートに通える、シーズン・チケットも購入できます。
BBCショップでは、手数料なしでチケットが購入できます。
BBC Shop
Address : 50 Margaret Street, London W1W 8SF
Telephone : 020 76314523